
大須の街をぶらぶら散策していると、ふと視界に飛び込んできた一軒の本屋。
ただの本屋ではない。どこか怪しく、どこか惹きつけられる佇まい。気になって近づくと、その正体に思わず二度見してしまった。

なんとこの本屋、健康食品でおなじみの**WAKASA(ワカサ)**が運営しているという。
サプリメントのイメージが強い企業が、なぜ本屋?──その違和感こそが、すでにこの店の“仕掛け”なのかもしれない。
店内のあちこちには、WAKASAのマスコットキャラクター「ぶるぶるくん」の姿が。
ブルーベリーのキャラクターで、目の健康を象徴する存在だが、ここでは“本”と“視点”を掛け合わせたメッセージとして効いている。
目に関わるブルーベリーと、本を読む“目”。なるほど、そう来たかと膝を打つ。

書店業界が衰退し、大手ですら苦戦している今の時代。
そこにまさかのWAKASA参戦。これは話題作りではなく、自社製品への揺るぎない自信と、新しい価値創造への本気度を感じさせる挑戦だ。
店名は**「謎解き生活」**。
一歩足を踏み入れた瞬間、日常から切り離された“異世界”が広がる。その空間演出に、思わず感激してしまった。
「これは…何が始まるんだ?」と、自然とワクワクが込み上げてくる。

店内は順路に沿って進む、まるでアトラクションのような構造。
デートスポットとしても十分に成立するし、空間そのものがアーティスティックでユニークだ。
テーマごとに並ぶ本は、ジャンル分けというより“世界観”で配置されている印象を受ける。


小道具や演出が随所に散りばめられており、しかも撮影OK。
「ここ…本屋だよね?」と何度も確認したくなる。
本の森なのか、迷路なのか。探検している感覚に近い。


フロアは2階まで続くが、ぜひ注目してほしいのが階段。
正直、ここはもう“会場演出レベル”。映像美と空間演出が融合し、階段を上がるという行為そのものが楽しくなる。
移動ですら体験に変えてしまう、その徹底ぶりに唸らされた。


2階に上がっても順路は続き、最終エリアにはトイレも完備。
しかもこのトイレ、驚くほど広くて快適。子連れのお母さんにも優しい設計だ。


1階から2階まで、様々なジャンルの本を“アートを眺めるように”巡っていく時間。
普段ほとんど本屋に行かない筆者ですら、気づけば何冊も手に取っていた。
興味のなかった分野にも、自然と視線が向く。この体験は、かなり革命的だと思う。

「興味がない」のではなく、「触れるきっかけがなかった」だけ。
視点を変えることで、世界はこんなにも広がるのか──そんなことを静かに教えてくれる。


結果、購入してしまったのは
七尾与史『全裸刑事チャーリー』。
人生で2回目の小説購入である。まさか自分が、ここで小説を買うとは思わなかった。

本離れが叫ばれる今、このアプローチは確実に一石を投じている。
“売る”のではなく、“体験させる”。
読み終えたら、またこの空間に戻って来たくなる。そんな不思議な引力があった。

ちなみに、店内にはシークレットルームが存在するらしい。
今回は残念ながら発見できず…。
訪れた際は、ぜひ探してみてほしい。
この店は、最後まで「謎解き」なのだから。
【店舗情報】
店名:謎解き生活
住所:〒460-0011 愛知県名古屋市中区大須2丁目18−8
電話番号:052-265-8699
営業時間:10時00分~19時00分
定休日:年中無休*詳細は問い合わせ下さい。
アクセス:地下鉄鶴舞線「大須観音駅」2番出口から徒歩6分
SNS:公式SNS
HP:公式HP
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